社会のデジタル化が進み、今では様々な手続きをオンライン上で行うことができます。
個人が複数のデバイスを所持する今日、インターネットは私達の生活に定着し、浸透を続けています。大勢の人が利便性の向上を喜ぶ中、それを別の意味で喜ぶ人がいます。攻撃者(クラッカー)です。デジタル化の拡大は彼らの行動範囲の拡大と同義なのです。
様々な攻撃やウイルスが、私達の身近に迫っています。そのような脅威から、あなたの大切な情報を守るために、どのようなことができるでしょうか。
セキュリティソフトは、このウイルスの特徴を記述したデータベースと、対象データとを比較してウイルスを検知します。これと一致(パターンマッチング)したら、その対象データはウイルスと判定されるわけです。
例えば、あるウイルスがパターンファイルに登録されていたとして、それを改造した亜種ウイルスはウイルスと判定されません。これは改造の過程でビット列が変更されたためです。またパターンファイルに登録されていない未知のウイルスについても、同様にウイルスと判定することができません。パターンファイルで多種多様なウイルスを”一致”で補足するのは困難なのです。
しかしだからといってウイルスを検出できなければ、セキュリティの意味がありません。これらの検出のために「ヒューリスティック法」と「ビヘイビア法」が用いられます。個別に説明しましょう。
パターンマッチングを回避したとしても、ウイルスが悪事をすることに違いはありません。ヒューリスティック法では、この悪事を判定基準とすることで、表面的なパターンマッチングでは検出できない未知のウイルスや亜種ウイルスを検知することが可能です。
ヒューリスティック法の発展型であり、安全な環境下で実際にコードを実行することで、隠れた危険性を発見します。仮想的な実行環境で実行する場合と、実際の環境で実行し、異常を観測したら停止する方式などがあります。静的ヒューリスティック法では検出できない、暗号化などステルス技術を使ったウイルスを検出できます。
もしソフトの見直しを検討しているのなら、第三者機関による評価のうち、ヒューリスティック検知の項目に注目するようにしましょう。試しに有名な評価機関であるAnti-Virus Comparativeの最近の評価表を見てみましょう。
(画像)Anti-Virus Comparative Heuristic and behavioural protection 2015 March
優れたヒューリスティックを有すということは、亜種ウイルスや未知のウイルスに強いソフトウェアであることを示します。上記の結果では、下記のソフトなどが優れたスコアを記録しています。
- Bitdefender
- F-Secure
- eScan
- Kaspersky Lab
- BullGuard
- ESET